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学長日記

2010年1月25日

防災訓練を行いました。

1月19日、午前の授業終了直前の時間帯に、新講義棟三宅の森Nexus21で防災訓練を実施しました。新講義棟は耐震構造の上、防災についても最新・最大の配慮がなされておりますが、何しろ総数約8000席を持つ10階建ての建物です。常時、2~3000名が滞在しております。4月から供用しておりますので、本来ならばもう少し早い時期に訓練を実施すべきでしたが、行事などの関係でこの時期になりました。年末年始をはさんで多忙の中、事務局がよく準備してくれました。

当日は、12時15分、地震が発生し、3階で火災が発生したという想定で実施しました。私は、防災センターからの指示を視察しておりましたが、ハイチの大地震や神戸淡路大地震15年の直後でもあったことから、訓練とは言え、緊張した雰囲気を感じました。教職員と学生諸君の協力もあり、全階から全員退避したのを確認して無事(と言っても変ですが)終えることができました。

訓練に駆けつけていただいた広島市佐伯区消防署の方(本学の卒業生でした)からお聞きしたことですが、何よりも大切なことは日ごろから防災の意識を高めておくことだそうです。そのためには、テレビや新聞などで報道される災害に関心を持ち、自分はそのときどうするか考えること(シミュレーション)がよいということでした。また大災害の時は、消防署は当てにならず、地域ないしは事業所で自衛的に対応することになるということでした。大学もその覚悟を持って対応しなければならないことを改めて思わされました。

ところで、自校教育論の中の「倫理」について、私は「倫理訓練」という表現を使って講義をしております。どんなことであれ、冷静に考えれば、やっていいことか悪いことかはだれにでもわかる。しかし、例えばだれも見ていない、ばれないだろうなどと思う一瞬の思い(災害で言えば一種のパニック)がとんでもないことをさせてしまう。後で考えると、なんと馬鹿なことをとすぐ気付かされる。倫理とはそういうものだ。だから、日ごろから、いろいろな出来事に対して自分ならどうすると考えなさいと話しているわけです。防災訓練になぞらえてそれを「倫理訓練」と言っています。今回防災訓練に参加して、改めて倫理は防災と同じであると思わされました。防災も倫理も、一瞬の冷静な判断ができるかどうか、紙一重の対応の違いが生死を分けるということです。「倫理訓練」はいい表現だと妙に納得しました。

防災訓練を一回したからといって防災が保証されるわけではありません。日ごろから意識を高めておくためにも、これからも折をみて、場所も変えながら実施する予定です。

投稿者 : 茂里 一紘